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まず初めに、ここでいう「ウツウツ(偽うつ)」と、現代医学でいう「鬱病」とは似て非なる病気です。
現代医学でのいうところの「鬱病」は、脳内の神経回路に何らかの問題が発生し、神経伝達に異常を来たし発病します。それに対し「気の持ちよう」とか「心が弱い」ために「鬱病」とよく似た症状を訴えるのを当店では「ウツウツ・偽うつ」と呼んでいます。
症状は類似していても原因は全く異なります。しかし、現代の医学では伝達異常で起こる「鬱病」と精神的な要因で起こる「ウツウツ・偽うつ」までも「鬱病」として捉えてしまっているのではないかと思います。そのため「ウツウツ・偽うつ」の患者さんにまで安易に抗うつ剤や睡眠導入剤などが処方され、病気を治すどころか薬剤の副作用により健康被害を引き起こしている現実を多々目にします。
抗うつ剤のような新薬は一度服用開始するとそれ以降服用を中止することが難しくなります。習慣性にもなりやすく常用量も増える一方です。止めたくても止めれないジレンマに悩まされます。
精神的なストレスによる「ウツウツ・偽うつ」には漢方薬が奏効します。漢方薬で肝っ玉を強くし、ストレスを跳ね返せるようになり「ウツウツ」や「パニック障害」「社会不安障害」から脱出してもらえます。
「ウツウツ・偽うつ」の症例
ある男性が久しぶりに当薬局に訪ねて来てくれた。
用件は?と訊ねると、栄町ヤマト薬局特製のクラゲに刺されたときの塗り薬だ。わざわざそれだけのために遠くから来てくれるから、ちょっとしたそんな薬を作るのにも喜びがある。しかし、嬉しい理由はこれだけではなく他にもある。
それは、以前に彼がとてつもなく大きなトラブルを抱え心が病んだ時期があり、それを解決するために当薬局へ通い続けてきてくれたことがある。その彼が今ではすっかり元気になり本来必要なものだけを取りに来店してくれたことが嬉しいのである。
その彼はどっぷり体育会系トライアスロンもなんのその、正確な言葉かどうか知らないがライフセーバー(海の安全を守るボランティア?)までこなしている。その外国人並の体力を買われてか、ある大きな会社で部下数百名を持つ責任重大な地位についた。前任者達もその責任の大きさに押しつぶされたという魔の地位らしいのだが、外国人並の体力の持ち主の彼に白羽の矢が刺さったのだろう。名誉なことではあるが彼も前任者同様に過酷な仕事で心が折れてしまった。
こうしたときの常套手段は、心療内科にかかり抗ウツ薬や安定剤、果ては睡眠薬などを処方され1年くらい会社を休むらしいのだが、彼はそれを欲しなかった。診断書をもらうために病院にはかかったが、薬はいっさい飲まなかった。その代わり僕の所に相談に来て、漢方薬で克服することにした。来るたびに美味しいコーヒーを飲みながらたくさん話し、2週間分ずつ漢方薬を持って帰った。僕は彼が鬱病なんかにはとても見えなかった。彼の体格は僕とは天地の差があるが、性格はとてもよく似ていた。だから彼の陥っている病態が手に取るように分かった。僕に言わせれば彼のは単なる「頑張りすぎ病」なのだ。これは病気ではなく長所だ。それを病院にかかると鬱病という。僕は彼の改善をつぶさに見ながら、僕を頼ってきてくれる人達の心のトラブルは病院にかかれば鬱病、僕がお世話すれば「ウツウツ」と言うことに気がついた。以来、多くの方をお世話したが、ほぼ100%近くの人に「ウツウツの漢方薬で」復活してもらっている。同じ処方でパニックの人達もずいぶんと改善してもらえることに気がついた。その人達のネットワークはずいぶんと発達しているらしくて、紹介の紹介の又紹介という具合に多くの人が相談してくれるが、かなりの確率で「ウツウツ」から脱出してもらっている。
専門家を勿論否定するわけでない。薬局なんかではとても手に負えない人は多い。ただ、軽々しく鬱病薬を飲まされている人達がいることも事実だ。門前薬局ではないから僕は自由にものが言えるし、漢方薬も頼まれれば作れる。今までどれほどのウツウツやパニックの人達を解放できたことだろう。以前ブログにも書いたが、元々僕自身が1日16時間以上の過酷な労働を数ヶ月ぶっ通しで働き続けて心が折れたときに自分用に考えた処方だから、同じような人には効くに決まっている。あの時相談した息子が僕に安定剤などを出さず「こんな時こそお父さん漢方薬だろう」と言ってくれたことで多くの人を救えた。今日も数人のウツウツの人と「楽しく」いっぱい話が出来た。鬱の人があんなに楽しく笑って話などしない。わずか数ヶ月でウツウツを脱出していく人達を見て、現代の生きにくさと、治療自体を泥臭く、又楽しくする必要性を感じている。 |
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